ベニシアさんウオッチャーというか、
毎週日曜日の習慣です。
猫のしっぽカエルの手はNHKのEテレ。
北海道では、日曜午後6時からの放送です。
数年前などのアーカイブ、
再放送が多いですが、
何度見ても、面白いからいいのです。
主に、京都大原の自然を中心に、
ガーデニングと伝統工芸やベニシアさんの交友関係の話です。
同じ時間帯に、奈良の山寺の、食べてばかりいる尼寺の話が月1程度放送されます。
さて、イギリスの貴族の家に生まれ、色々な旅をへて、
京都大原に落ち着いたということでした。
番組では、その波乱万丈の人生の断片を小出しにしてきましたが、
ここにきて、先月ぐらいから急展開してきました。
それは、目の衰えと、記憶障害
前回はこの病状を紹介するのに非常に苦労されていました、
話し相手の登山家の人と人生を語りながら、訥々と説明しました。
NHKのディレクターの苦心がうかがわれています。
今回の放送では、初めてベニシアさんの年齢(67歳)を初めて発表し、
①一番大事にしてきたガーデニングで、植物の名前が出てこなくなった。
ここからがポジティブ。それならば、名札を付ければいいんだと、
友達のガーデナーと一緒に名前を書いた立札を
次々に立てていきました。
一番得意にし、自分の生きがいともいえるものが失われていく。
ここで、落ち込み投げ出すのではなく、
今の一瞬一瞬を大切に生きる。
さすが、ベニシアさんですね。
②目のせいもあり、字が上手に書けなくなってきた。
字ではなく、絵をかけばいいんだと、植物の絵を描き始めました。
前からスケッチはしているのを見てはいましたが、一段と腕が上がったように見えました。
一生懸命見る。一生懸命感じる。
ただのメモスケッチから、芸術方向へと進化してきたのです。
素晴らしいことです。
生きることと、描くことが極めて接近したのです。
番組ではそのあと、パステル工場に行って、パステルを手に入れました。
そして、自分のイメージをそのパステルを使って、表していました。
絵を描くことで自分を表現していくとても素敵なことですね。
パステルといえばドガ
パリのオルセー美術館のドガの部屋では、照明が制限され薄暗いのですが、
パステルの点で表された踊り子の
スカートというか、あのひらひらが鮮やかに浮かび出ているのが印象的でした。
ドガは、素描をとても大事にしていたことがわかります。
パステルは、色チョークのようなイメージです。
画面上で混ぜるというか、重なり合うことで複雑さが増しますが、
混ぜすぎると表に彩度が落ち、泥のようになるのです。
混ぜないで、線を大事に、素描の勢いをもって、スース―と描いていくのがいいのです。
色付きの紙を使用するのがいいでしょうね。
ドガは、暗い部分は版画でしっかりと印刷してから、
その上にパステルをのせていったのです。
舞台裏の暗い幕の後ろから、のぞき込むようなそんなドキドキ感があります。
パステルは、主役を決めそれを浮き出させるのに使うのが効果的だとドガは考えたのでしょう。
一瞬一瞬をとらえることで、永遠性が確立する。
これは芸術の本質です。
さて、アーティストや伝統工芸継承者のよき理解者の
ベニシアさんをこれからも応援していきたいと思います。
次回の放送はいつになるのかもわかりませんが、
楽しみに待ちたいと思います。