スーチンいいですね。
どこがいいかというと、生命感があるということでしょう。
ドキドキしますね。
芸術で心が動くといいますが、これは直接的なもので、細かい説明はいりません。
音楽もそうですが、なぜか知らないけどドキドキします。
やはり、人間の遺伝子の中には、「生きる」ということが大事だとインプットされているのですね。
ここにスーチンの全作品集があります。
家で一番厚い本です。
780ページの本です。今、アマゾンで調べたらありませんでした。
一体いくらしたんでしょう。好きだからしょうがないですね。
なぜ、唐突にスーチンを思い出したかというと、地震があったからです。
2018年9月8日(木)午前3時8分の地震は、各地に大きな被害がでました。
全道ブラックアウトという事態も発生しました。
被災地の在り様は大変なものでした。
壊れた家や地盤が見る人を暗い気持ちにさせました。
しかし、ここは北海道、開拓魂をもって、困難に打ち勝ち、また歩みを始めねばなりません。
ホントに大きな痛手でした。
スーチンと崩れたレンガの壁は、私のイメージに結びついているのです。スーチンは鳥をつるして
絵を描きました。赤い色の崩れたレンガの壁の間から、
その赤と、つるされた白い鳥のイメージが頭に残っているのです。
色々なものをつるして描いている写真をどこかで見てそれで印象に残っているのかもしれません。
リトアニア生まれのユダヤ教徒というようなくくりでは説明できないですが、極貧の中で絵描きとしての
自分を確立していきました。
享年50歳胃潰瘍の悪化が死因でした。
ユダヤ教徒の迫害や密告の恐怖も原因でしょう。
静物画は、あの、厚塗りの迫力とかかれているもののインパクトが凄いですね。
先ほどのつるされた鳥(鳥だけで10点以上)や、動物の死体、ウサギや解体された牛、
つるされたエイ(エイはたしかシャルダンにもあってそれにインスパイヤされたのかも)
生きてるかわいいロバや、豚の絵もありますが。
風景画はうねりにうねり、その空間は個性的で、ホワイトの色がキレイです。階段のような道のような
ホワイトが視線を引っ張りその空間に連れ込みます。
支援者が見つかって伸び伸びと筆が動いているのがいいですね。セレの風景はどれも魅力的です。
人物はそのデフロマシオンが強烈で、色の重なり厚さと相まってすごい迫力です。東京の西洋美術館が持っている
もすごい迫力ですね。これ以外にも、祈る男など精神的な題材で傑作を残すと同時に、一般庶民のウエーター
コックなどの肖像画もいいですね。
赤と白と青と深緑
絵具をパレットで混ぜないでカンバス上で混じる感じで描くのも、色が純粋になる一因ですね。
地震とスーチンは意外な取り合わせですが、インスピレーションはどこから来るのかわかりませんね。
崩れた壁から、スーチンの壊れたレンガが想起された一日でした。
作品集を久しぶりに見ましたが、やはり、スーチンはいいな。
と思いました。