油絵で夏の花を描いたら素敵です。
北海道の夏は花が一斉に咲き始めます。素晴らしい季節です。
今日は、私の夏の花を描く手順を簡単に説明します。
本当に、どんなふうに描いてっていいんです。我流一筋でもいいと思います。
油絵は塗り重ねができるし、修正しながら描くのが醍醐味です。
準備(初めての人)
① カンバス6~10号ぐらいがいいでしょう。
②木炭ヤナギ3本入り
③筆 10号平筆2本(お好みです丸筆でも)
④筆洗い(無臭タイプ)オドレスぺトロール(無臭)リンシードオイル(これは匂いません)
※フキサチーフという木炭を止めるためのスプレーもありますが、なくてもいいです。
※無臭タイプを使うと家族に迷惑をかけません。
①はじめに木炭で描きます。
②画面の真ん中かから描きます。絵を見る人は真ん中に焦点を合わせてみるのです。
③ど真ん中は構図的に悪いといわれています。どっちかにわずかにずれるといいのです。
※しかし、それも自由です。ど真ん中に直球を投げ込んでもいいのです。
シンメトリーやど真ん中は画面が硬直し息苦しく感じられることもあります。
わずかなゆがみを考えることが芸事の道です。
落語や漫才でも間が一番大事だといわれます。
あらゆるスポーツも、間やタイミングが重要だといいます。
自分の美意識を信じでズバッと描きましょう。
はじめは、木炭です。
後ろに格子状の線を描いて、間を確かめながら描きます。
木炭は真っ黒影の色です。実在するものの裏には必ず黒があります。
無彩色は始めに入れておくべきです。
これから生きている花を描くのですから、死は一番下に置いておくべきです。
バックは格子状の線を入れて調子を見ます
壁と床の線のあたりをつけておきます。
ポットは丸なので
テーブルも丸にしておきます。
丸は丸、四角は四角が合うようです。
つぎは、青です。セルリアンブルー系やウルトラマリン系どちらでもいいです。
ぺトロールはサラサラの油です。青の絵の具を溶かし、薄めてスラスラ描きましょう。
なぜかというと
青は後から、上から塗り重ねるのが難しい色です。寒色はほとんどそうです。
一番初めから、入れておく必要があります。
寒色は塗っただけで後ろに下がりますし、暖色は前に出てこようとします。
花は赤、葉は緑ですが、それは後から入れるので、今はまず青で描き進めます。
油を使い、水彩のようにサラサラ描いていきます。
画面上のV字の線は
花の茎がV字なのでそれを受けているのです。
画面の響きということは最初から意識しないと後からは難しくなります。
つぎは、ライトレッドです。私の絵の具は、ウインザー&ニュートンとマツダスーパーの2社を好んで使っています。
ライトレッドは茶色い色です。
なぜかというと、茶色は土の色この暖色系の色はどんな色の背後にも隠れています。
緑の山を全部緑で描いたら、ブロッコリーの山です。
よく見ると茶色が潜んでいるのです。
これで、寒色と暖色の下塗りは完成しました。
つぎは、どんどんそのものの色を塗っていきましょう。
失敗したら、ペインティングナイフでガリガリ削ります。布で拭かないでください。
なぜかいうと布で拭くと絵具が混ざり、彩度が落ちダルくなるからです。
チューブから出した色が一番きれいです。混ぜるな危険です。
カンバス上に置いていくこどで混ざるようにしましょう。
×混ぜて塗る
〇カンバス上で混ざる
1回目はここまで、1週間ほど乾かしましょう。
ぺトロールしか使っていないので水彩のように絵具が垂れていますが、
これでいいのです。
赤い花で逆三角形ができています。
乾いた上から、2回目が始まります。
一週間たちました。
花は枯れてしまいましたが。
新しい花を描きます。
違うものですが、それでいいのです。
写真ではなく、絵を描くとはそういうことです。自然を体に脳に取り込んで、出力するのですから
そっくり産でなくてよいのです。
自由に世界を作っていいのです。
静物でもそうですが、モチーフが動くことにそんなに神経質にならなくていいのです。
逆に動かいているうちに、いい構図に気が付いたりするからです。
静物を描いていると、散々動いた後に、また戻ってきたり、また離れたりしながら完成に向かって動いていくのです。
①ドンドン色を重ねていきます
②黒を恐れないで使って形を作ります。葉の形や茎などで重要なところは恐れずに黒を使いましょう。
実際は、茎は緑なのですが影の部分もあるので、構図上大事な線は、黒でズバッと描きましょう。
③鈍くなったら、ペインティングナイフで削りましょう。キャンバスの目を出して再挑戦します。
④バックの色が前に入りこむ意識で手前にも塗りましょう。花と自分の間には空気層があります。
これを、意識しないと真空空間に花がある感じになり、それは、シュールな世界です。
バックといわれるカーテンのような背景はありません。
あるのは、空気の中に存在する実態です。
壁に、張り付いているのではありません。
そこを意識することで、生命感がぐんと増すのです。
セザンヌは、適度なブルーを空気感として挿入しています。
砕けていえば、
背景の色が前の方にもマッスとして入る、ということ。
もっと、砕けていえば、バックの色が手前に点々で入るということです。
これで、一回2時間×2回
計4時間で完成です。
これは、また一週間乾かしたら
微調整します。
今日は、ここで筆をおきます。
もう一枚もできました。