確か上野の森美術館、小さい絵でした。もうきりきりと痛むような鋭さで沈黙の空間を作っていました。
盛り上げた絵具が渦を巻いて、ゴッホの一筆一筆が腑に落ちる。このタッチが見える絵の素晴らしさ、臨場感はすごいですね。
マチスのダンスもまた、確か上野の森、平板に塗ってると思っていたが、そんなことは全然なく、むらがあったり、修正した後がわかったり、その、タッチは手に取るようにわかり感動しました。
ルオー、スーチン、ブラマンクの厚塗りもまた、魅力的ですね。
セザンヌは最後の大水浴図の端はほとんど絵具をつけずに、中心を賢明に描くことにより、球のような空間を実現しましたね。
あと、斜めのタッチで、より深く空気感を出せることを教えてくれました。
後期の貼り絵は、きっと平板、色紙を切って張ったものは。
平板化は現代人の感覚。音楽で言ったら、80年代世界を席巻した日本のグループYMO、電子音楽の走り、そして、今はジャスチンビーバー。
アナログとデジタル意外としっくりしたりしますね。
人間の遺伝子の中にもデジタル要素がありますね。たった4つの塩基の2重らせんですべてが説明できる。
描くという行為を大事にしながら、また、現代についても考える必要がありますね。
テーマは「待つ人」
この生きずらい現代に、何をまてばいいのでしょう。