ブリジストン美術館展 北海道近代美術館 パレストリーナを聞く

 

ようやく、ブリジストン美術館展に行ってきました。

北海道でこのような催しがあるのはうれしいですね。昨年のゴッホ展も最高でした。

ブリジストン美術館は何度か行ったことがあります。確か、東京駅から歩いていきました。

 

ブリジストン美術館の名物は、

青木繁の「海の幸」でしょう。海岸をサメを担いだ人々が歩いてくるやつです。

真ん中あたりにリアルな顔が一つ

色は褐色主体。日本人離れしたダイナミックな筆の動きがありますね。

周りは、ほとんど描きかけなのです。

 

この、まわりはほとんど描きかけというのは、セザンヌの後期の作品によくあります。

 

大水浴図もそうです。

ただ、大水浴図は観る機会がなく、いつかきっと見てみたい、フイアデルフイアにあるやつです。

 

しかしながら、かの氏が大統領のうちは、行かない方がよいような気がします。

やはり、有色人種の私は、差別されると思うからです。

 

一番よかったのは、セザンヌの「サントビクトワール山とシャトールノアール」です。

これは、日本にあるセザンヌで一番の傑作でしょう

この、手前の森の中から見上げる空気感はたとえようもないものですね、一気にその場所の空気を感じられる。

 

これに匹敵する空気感をもった絵はなかなかありませんね。

 

ひとつの宇宙

 

ピカソの大きめの絵もありました。良かったです。ピカソのような天才は、線一本で決めてしまうところがありますね。

それに対して、マチスは、繰り返し線を描きながら決定していく感じです。

マチスの「ダンス」が東京に来たことがありましたが、平面で貼り絵のようにぱりぱりしているかと思ったら、大間違い

実際は、結構渋い色に、決めかねたデッサンの線が残っていたり、あの形に到達するまでに相当な、手の動きがあったことが

感じ取ることが出来ました。

 

出口のところに、大好きなスーチンの風景画がかかっていました。うねる様な緑の木と、うねるような白い家、セレの風景でしょう。

 

スーチンの絵にある、激しさと静けさは、生命というものを考えさせる何かがあるようです。

 

ルオーも2点ありました。キリストが街に弟子と歩いている絵の色がステンドグラスのようにきれいでした。ルオーはステンドグラスの

職人もしていたからそんな感じがするのでしょうね。

 

モネのスイレンは、やはり、上野の国立西洋美術館にあるやつが一番ですね。サイズも大きいし。しかし、ちょっと厚塗りのスイレンもいいですね。

 

さて、パレストリーナとは、ルネサンスのイタリアのラッチオ州の2万人ばかりの街です。

しかし、一般的には、作曲家のジョバンニ、パレストリーナをさし、カトリックのミサ曲の総称として使われます。

このパレストリーナのミサ曲を聞きながら、セザンヌの画集を見てください。

 

ヨーロッパ的なカテドラルを体現するセザンヌの絵、ミサ曲の静けさがマッチして、とても気分が和らぐのです。

超美味しいコーヒーを飲むような、苦くて甘い感じ、

透き通るような南仏の空気感を味わってください。

 

現代アートは空気感を気にしな過ぎのような気がします。真空状態の画面がこちらにインパクトを求めてくるようです。

 

ブリジストン美術館の後期印象派から、ピカソまでの名品を見てそう感じました。

 

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