私が普段使うのは、ニュートン製の絵の具ですが、久しぶりに
久々に 画材屋に行って超びっくり。 高すぎます。
絵の具がとても値上がりしています。 非常に大変な事態だと思います 。
特に若い人にとっては大変なのではないでしょうか。 絵の具の質を落とすと やはり 全体的に変わってきます。
特にバルールを合わせるのが難しく マッスということを考えると非常に合わせづらくなります。
マッス の問題で頭に思い浮かぶのは ボナールです。
ボナールの絵を直に見ることができるのは稀ですが 、一度でも本物を見ると、その バルールの正確さに驚かされます。
特に木の塊 や花の塊 などある面積を持ったもの、その面積と色の重さのマッチングが見事に計算されているのです。
ゴッホ などはとても センシティブなので、見ているのが辛くなるほどの痛みがあります。絵具は盛り上がり彩度を保ったまま画肌になります。
あまりにも あまりにも鋭すぎて周りの空間がガラスの空間に見えます。
うかつに踏み込むと割れてしまいそうな空間、 迂闊に触れるとガラスで手を切るようなそんな雰囲気を醸し出しています。
それに比べて ボナールは恵まれた幸福な画家、心地よく感じます 。
黄色いミモザ などは目が嬉しくなってて目が喜んでしまう ほどの快感。目と精神のマッサージのような感動があります。
そして、ムンクの流れるようなマッスは、その中に 生命感、生きること 全体の悩みや苦しみ、喜びをそのまま画面に表します。
表現主義ということについてよく考えています。絵具はその表現を強化します。
今を生きることに直結した卓越した技術と精神性が多くのファンを惹きつけるのです。
オスロにある国立美術館のムンクの部屋では多くの人々がその美しさと その人生について深く感動しています。
まさに 北方芸術、ノルウェーの宝と言えるでしょう。
現代絵画の問題点は、この天才たちに学ばず、その作品が、独りよがりの説明をしなければ分かってもらえないことです。
頭でっかちの実践的ではない主張や、偶然性に頼り過ぎた意味のない模様作りにから抜け出せずに、自己模倣を繰り返します。
または、真実を自分の眼では確かめ自分の内面に入れる強さがなく、写真のようなソックリさんの絵でごまかしたりします。
絵具がずいぶん高かったので、いろいろ考えちゃいました。