家人に
「まだ行くの」と責められながらの出発です。なにせ、半年限定の道楽です。そんな簡単にやめられません。
そして何より、2018年の冬は異常気象、気温が下がりません。
札幌も、初雪が遅れて、100年ぶりかなんて言っているのです。
良いではありませんか。
今は、間氷期まだまだ暑くなりますよ。だいたい、旧石器時代には、北海道でも集落があったぐらい、
裸同然の人が、北海道で暮らせるほど暑かったのです。
毛無峠の頂上付近は、道路のはじに雪が残っていました。山の木はすっかり葉を落としました。
白樺、ダケカンバの林は、白骨のように見えます。
怖いです。
今まで、緑のカーテンで隠されていたのです。
人でもそういう人がいますよね、一皮むけば意地悪だったとか。
紅葉もすでに終わり、遠くまで見渡せます。こんなところに川があったのかとか、
川が道路からも見えやすくなりました。
毛無峠は600メートル、中山峠800メートル、テイネ山は1000メートルです。
余市岳は雪の多いので有名な山、だから、キロロはここにスキー場を作りました。ゲレンデ部分は
人工降雪でしょうか、バーンに白い雪が積もっています。
ニセコと同等のいい雪がここには降ります。
いま、ニセコは外国人だらけで、ホテルの建設ラッシュ、土地のねだんも高騰しています。
年々減少を続けるスキー人口、シニア世代がいかなくなったら、スキー場は経営難になるでしょう。
スキーはお金がかかりますからね。(リフト代、昼食代、それから、ウエアもいるし)
家族4人でいったら1回に1万円は飛びますね。
川の水温はだいぶ下がりました。手を入れるとその冷たさにビックリします。
水温が低すぎると活動量がへり、エサの食いが悪くなります。
どこかに集まっているのか、魚影は薄いです。やっと、1匹つりました。
また、この時期は「くろすけくん」が多く、あの、ヤマベの美しさはちょっと落ちますね。
「くろすけくん」とは、白子をもったオスで、体が黒っぽいです。
クーラーに入れておくと、もっと真っ黒になります。
水量が多めです。いろいろな支流によって違うようですね。
とつぜん、がさっと大きな音がしました。結構デカい音です。しいて言えば、大きなシカが突然心臓発作で倒れたような音です。
この川では、熊の噂を切ったことはありませんが。
ヒグマだったとしたら、はりて一発であの世行です。それほどの強力パンチを持っているのです。
ゴリラVSヒグマではどちらが強いでしょうか。ヒグマは強力な張り手のほかに、牙もありますからね。
緊張しました、いつもはベストの小さなポケットに入れている、クマよけの鈴を出しました。
神社の鈴のように景気よくカランコロン鳴らしました。
今度は「キョん」と鋭い鳴き声が聞こえました。
こんなところに、八丈島のキョンがいるはずなない。とにかく、
明らかに野性の動物の声です。緊張したというか、気味が悪くなってきました。
ヒグマがキョンのマネをして、人間を安心させて襲う気ではないでしょうか。
胸のポケットから、折り畳みナイフを出し、出しやすいポケットに入れました。
こんな、小さなナイフでは役にたたないかもしれませんが、熊の胸に飛び込んで、このナイフで目を刺すつもりです。
熊は、骨の付き方から、自分の胸に触ることが出来ない。だから、張り手を潜り抜けて、胸に飛び込む勇気さえあれば
熊を倒すことが出来るでしょう。
保証はできません、自己責任でお願いします。
あんまり慌てたので、さおを一本、川原に忘れてきちゃいました。」
怖くて、へっぴり腰で戻りました。
1人での釣行は、自由な反面怖いこともありますね。
今日は、イワナ20cm4~5本、ヤマベシンコ5匹、ヤマベ普通サイズ5匹 イワナ30cm1本
イワナ15cmサイズ7本 計20匹あまりでした。
やがて、雪に全てが閉ざされるでしょう。
次にここに来るのは、来年の6月、その時、わたくしは、何を思っているのでしょう。
閉ざされた世界で、春を待つのは、結構、趣きのあるものです。