エジプト文明からギリシャの彫刻問題 駅員のいる群像18 

紀元前2万年、洞窟で大型動物の脅威にさらされていた人類は、洞窟の壁に動物の絵を描いていました。

ラスコーの壁には、実物大の動物が描かれました。

この、壁画は楽しみで描かれたものではなく、洞窟の薄暗いはじっこの見えないところに描かれていました。

みんなに、見せたくて、装飾として描かれたわけではありません。

実に、隅っこに描かれていたので、発見されたのは、犬をつれてハイキング中の子供たちに、

なんと、

1940年に発見されたのです。

 

実に写実的で、狩りをするための祈りみたいなものでしょう。かなりの腕です。

旧石器時代は、このように万年単位ですが、私たちの祖先も、この中にいて、洞窟の中から、外を眺めていたのでしょう。

呪術の世界は、エジプトまで続きます。死者のための芸術です。

エジプトというと、みんな横向きで平面的なイメージがありますが、この、古王国時代の彫刻がありますが、

 

ここで、今日の問題があります。

「一歩踏み出す問題です」

ファラオとその妻の像ですが、ファラオが一歩踏み出しているのです。しかし、自立しているわけでなく、

台座に張り付いています。

彫刻は自立はしていませんでした

ここまでは、紀元前3000年

 

そして、メソポタミアのシュメール人文明、そのあと、前1700年バビロニア人の王、ハンムラビは、有名な、法典を作りましたね。

「目には目を」

前1700年の言葉がいまだに残っているのは、この文明が非常に優れたものだからでしょう。

そして、彫刻もビックアイ、目がデカいのです。この目の存在は、神の目、現代でも目をテーマにした絵は、一分野ありますね。

アッシリア、ペルシア、と古代文明の正統派が続きますが、

 

ここで、同時にエーゲ海文明も起こります。

メソポタミアとは、全く違う海洋文明が並行的に起きていました。海の文明です。

前2000年から1000年間も

クレタ王ミノスの名をとって、ミノス文明そのあとのミュケイナイ文明と隆盛しました。

前1000年ころ、ギリシャ部族が、ミュケイナイを征服、ギリシャ文明がいよいよ始まります。

ギリシャ文明は、今まで神官や王、呪術師など、特別な階級の人々が作ってきたものでなく、

「一市民が芸術に参加するという新しい文明」でした。

すぐれた個人がそれぞれ社会に貢献するという、全く新しい文明です。

規律正しく明快、ソクラテスやプラトン実に知的で明解ですね。紀元前のこんなことをやっていたとは、信じられないですね。

その頃の日本では、まだ、人々は狩猟採集で細々と、生きているだけの時代です。

 

さて、紀元前600年ころの彫刻に、青年立像というのがあります。

エジプトで、台座にくっ付いて立っていた、彫刻が自立して歩き出しました。

それも、微笑みをたたえて。

 

エジプトの死者の芸術から、生きる芸術、生命感をもった彫刻が誕生したのです。

ギリシャでは、人間は神に似ていたのです。オリンピックで勝つ英雄は、神に近づいたことでしょう。

 

F130のAは、完成間近です。

中央の男性は、立ち上がって歩き始めました。

 

 

 

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