油絵にとってはマチエールが非常に重要になりますね。
画肌が、つるつるとかざらざらしているというのが問題になりますが。作家によって大きく違うところが面白いところです。
厚塗りしすぎると、左官屋さん見たくなっちゃいますね。作品自体も重量がかさみます。絵を運んでもらう、運送屋さんも
いい顔はしませんね。薄塗過ぎると、油絵の場合完成度が低いとみなされることがありますね。
しかし、晩年のセザンヌの作品のように、わざと薄塗の部分を残しておくことで、逆に空気感を出し、または、見る人の想像力に
期待する。
「人間は、完成する方向に、秩序ある方向に見ようとする」
この、性質を利用して、より魅力的にするということもありますね。
マチエールは、フランス語で材料、素材をさす言葉ですが、絵の場合は画肌ということになります。
いろいろな素材を貼り付ける技法がはやったことがありましたが、今はあまり見かけませんね。作品の保存も大変そうですね。
先駆者の、ピカソの発想は素晴らしかったですね。ブラックにもあったような気がします。
今のトレンドは、ツルツルですね。ルネサンス期もつるつる。印象派から徐々に画家の個性が出てきて、スーラの点描や、ゴッホの
絵具を盛り上げていく技法、また、マチスになると。現代人の感覚「平板化」を意識して、晩年は、切り絵など超平面化を目指しました。
今は、大きな流れがありませんね。
小学校で、はじめに、色々なくれよんで色を塗っておいて、その上から黒のクレヨンで塗りつぶし、
あとから釘見たいものでひっかく、そうすると、下に隠れていた色があらわれる。
ランダムなので、偶然性も面白く楽しく制作した経験はありませんか?
さて、Bの方は、もう、マチエールが厚くなってきたので、もうそろそろ、完成させないと、筆を置くタイミングを計る時です。
塗っては、ナイフで削るので、今までの色が年輪のように重なって、予期せぬ色や、形が出てきて面白いですね。
特に、顔は何回も重ねているので、色々な色が出てきました。
たしか、ゴッホで3億色だったでしょうか。
絵具では表せない色があるのは、ある色の隣にある色を置くことでまた、視点で、目の中で混じる時に違う色と認識される、
スーラたち点描派の人たちの理論もありますね。
グラデ―ションを作る時に、黒い色を混ぜていくのは、色を濁らせることになります。
1905年の野獣派フォーヴィスム以後の絵はやはり、この色の組み合わせを研究していますね。野獣派の指導者はなんとあの、ギュスターヴ・モロー
マチス・ドランを導きました。凄いことです。
グラマンクやルオーも大好物。デュフィは、日本に結構いい作品があるはず。ポーラ美術館だったか、(自信なし)
日本も早くからフォービストがあらわれました。フォーヴィズムと日本近代洋画という展覧会が印象的でした。
萬鐵五郎や長谷川利行や中川一政などが好きです。