油絵 冬の風景とグラマンク

佐伯がセーヌ川のほとりで絵を描いていたら、自転車に乗ったグラマンクが通りかかって

「だめだ、ダメだ、そんな暗い絵は!!」

といって走り去ったそうだ。グラマンクは前期はフォービズム(野獣)原色と本能のままの筆の動きでした。

兵役についた後の後期は、グッと地味な風景を描きました。セザンヌのサンサシオンだけでなくきちんとした構造の必要性を

考えていたように、あの野獣といわれたグラマンクも変わってきたのでしょう。

冬景色で思い出す画家は、たった二人、ムンクとグラマンクです。

ムンクについては、生まれがノルウエーで長くオスロに住んでいるのですから、冬の絵もたくさんあるのです。

ムンクの雪の「星月夜」は傑作ですね。空気が冷たく乾燥していると、星もきれいに見えるのです。

グラマンクの冬の風景もいいですよ。特に空の雪雲の不安感がグッときますね。

この大男は、自分の芸術というものを至高のものだと感じていました。前出も佐伯はアトリエに尋ねた時も2時間ほど
説教を食らったそうです。
たっぷりとした白をぬりこみ、本能的にのばしていく感じがします。少し、冬の陰鬱な感じがまたいいのです。
あの空の雪雲がこれから雪がふるのか、重く垂れこめるのがいいのです。
超現実感は、アメリカのホッパーの絵に通じます。
このホッパーのある種の不安感、さらされている感は、北海道人にはわかります。荒野の荒々しさと空虚感がグッとくるのです。
この作家もまた、僕にとっては魅力が満載です。
いつか、本物を見てみたいのですが、なかなかその機会はありません。日本にきたことあるのかな。
F130のもう一つの方も、始めました。こちらも冬景色ですが、セザンヌの大水浴図みたいな気持ちで始めましたが、技量及ばす
無理だということが分かりました。
川があって、対岸に人ひとりぐらいはできるのではと思い進めてます。
右がマントを着ている母と子、まあ母子像です。
左がまだ決められない。苦労しそうですな。
春を待ちながら、アトリエで筆を握っていることがが幸せなのかもしれませんね。
あなたはどうですか。
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