キルヒナーとドイツ表現主義 橋と街 油絵制作Bの④ 

 橋は何かを結ぶものですね。

ドイツ表現主義では、1920年年代にドイツで隆盛した芸術運動。写実を排し、自分の主観をもとに表現していく。前衛芸術の始まりを告げ、現代美術、芸術の先駆けとなった。

キルヒナーは「ブリュッケ」を結成、ドイツ語では「橋」の意味である。

橋を描いて、向こう側には街を描くことにしました。右側の電信柱はまだ残っています。数々の変更はありますが、向こうからこっち側に人が来る感じは変わりません。

どこかに出かけるとか旅立つとかの感覚は、人類の遺伝子の中に深く食い込んでいるのでしょう。

また、それが、人類発祥の地、アフリカから旅をはじめ、地球上に広がったことからもわかります。

また、若い女性が旅行好きなのも、新たなる遺伝子を求めて、移動せよという遺伝子からの働きかけもあるのでしょう。

都会に憧れる若者は、監視され、固まった地域社会の因習から抜け出したいのでしょう。

また、土着というか移動を好まない人たちの一群もおり、それこそ、人それぞれですね。

 

画家は、旅行によってインスピレーションを与えられる事が多いようですね。

マチスのモロッコ、

スーチンのセレ、ゴーギャンのタヒチ、パスキンのエジプトなど数え上げたらきりのないほどです。

 

さて、F130Bの四回目

人物もう一人登場しました。手前が子どもなので母親としてもいいのですが。ムンクの「女の四段階」のように、または、ゴーギャンの我々はどこから…のように、一つの画面に、人生のいろいろな段階を盛り込むやり方がありますね。

その場面を切り取るのではなく、時間の経過を盛り込んでいくということです。

それこそ、表現主義ですね。

ムンクの「生命のダンス」も

女性の3段階、を一つの画面に左から右に配置していますね。

こうなると、老人、老母も入れたくなりますね。

こうなると、空間が難しいです。

人物の足の処に地面が発生すので、そのまま描くと、坂道が出現してしまうのです。

回避するには、足を描かないことですが、それでは、幽霊みたいになっちゃんです。

 

足元に、影のようなマッスをいれると少し安定します。あとは、手探りで色面を調整していくしかありません。

人物の手の位置が悩みどころですが、あまり突飛なことをすると、全体が崩れるので注意が必要です。

顔は、正面を向きすぎると動きが止まるので、あまりはっきり描かないようにします。

星月夜にしたいので、上の方は濃いブルーを入れておきます。

星の白や黄もはじめから盛っておきます。

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