アントワープ聖母大聖堂の祭壇画「ルーベンスのキリストの昇架」

欧米では、多民族に敬意を払い、メリークリスマスというのを、みんなが楽しめるようにハッピーホリデーというようになりました。

しかし、T氏は、意識的にメリークリスマスといっているようです。

折角積み上げてきた、各宗教への配慮の努力はどうなるのでしょうね。

私は、ハッピーホリデー派です。

さて、洋画を描く場合は、宗教画を避けて通るわけにはいきませんね。

やはり、キリスト教関係の絵は多いですね。あのフランダースの犬のネロがクリスマスの日に最後に見た絵、

アントワープ聖母大聖堂の祭壇画、「ルーベンスのキリストの昇架」は、

この悲劇の物語の最後にふさわしい絵ですね。絵を見てたら、ホントに天使が下りてきそうな絵ですね。

美術をテーマとした児童文学は、これしかないのではしょうか。

運悪く放火犯の濡れ衣を着せられ、頼りのおじいさんも失くし、クリスマスの前日に家賃の滞納で、住んでいた小屋を追い出される。

寒かったでしょうね。

ネロはコンクールのために、倒木に腰かけた老人の絵を、白墨でかいた。とされています。

渾身、全身全霊をかけた絵は、コンクールに落選してしまうが、その、才能を見抜いた画家が、内弟子にしようとやってくる直前に、

無念にも、その知らせを知らずに、空腹と全身衰弱で愛犬パトラッシュとともに、天使に迎えられ、神のおそばにいくやるせなくも感動的な話です。

全身全霊、渾身の力作、いつかは、描かないとだめなのですが、つい楽な方、忙しさにかまけれて純粋さを失っているのかもしれませんね。

画家を名乗るものは、そのパワーが必要なのですね。

上野の西洋美術館のグレコの絵は、上京するたびに見てます。これは、もうドラマチックで大事件というような絵ですが。

だいたい良いもの、よい作品は、静けさを伴っています。

何故かというと、構図、配置、色がほど良いバランスを保ち、バルールやデフロマシオンの正確さは、永遠性を呼ぶからです。

単純で美しいものに昇華される。ルーベンスの祭壇画もきっと、シーンとしているはず。

静けさと沈黙と緊張感、これがいいものです。

数学や物理の公式のように、単純で美しい。

本当の友情や愛も、あれこれ説明する必要がなく、静けさと沈黙と緊張感の中にあるのでしょう。

偽物はごてごてしていて騒がしいといえるでしょう。

さて、ほんの3号の絵ですが、クリスマスにかけようと思ってた絵が、時間切れになりました。

素朴で、愛らしい、2人とクリスマスツリーの絵を描こうと始めましたが、最終的に、3つの要素が、列車みたく並んでしまいました(笑)

女の人の手が、祈るように重なったのはクリスマスだからでしょう。何に祈るのか、

何かを要求する祈りではなく、きっと、感謝のお礼の祈りだと思います。

実に、人生は思い通りにならないもの。欲をいったらきりがない。

ジョンレノンではないけれど、世界平和を祈ります。

皆さんは、何を祈りますか。

とりあえず、ハッピーホリデイ!!

 

 

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