函館の 青柳町こそ かなしけれ
友の恋歌
矢ぐるまの花
啄木の函館時代の歌ですね。
意味は、函館の青柳町に住んでた頃は楽しかったな、懐かしいな、友達いっぱいで、青春があったな。
だと、思います。(笑)
今は、さびれていますが、その昔は大都会も大都会、人々がたくさん行き来し活気があった街です。啄木のこの歌の碑が函館公園の中にあります。
函館公園子供の国には、日本最古の観覧車がありますよ。昔、ここには動物園もあって、なんとライオンもいたんですよ。いまは、いません。とくに、お勧めはしませんが、ひまだったらどうぞ。
今日の本題は、この青柳町(あおやぎちょう)です。この青柳町の電停で電車を降りて、周りを見て、海を見て感じてほしいのです。
啄木が函館にいたのは、5月から9月までの非常に短い間でしたね。
あの、大火さえなければもっといたと思います。スポンサーも見つかり、貧しさからぬけだそうとしていました。妻と子もいました。友人もたくさんできました。
電車は谷地頭(やちがしら)行に乗ってくださいね。
谷地頭には温泉もありますよ。そのひとつ前ですよ。函館駅前から、10分程度で着くと思います。
函館の市電は、いろんな車両が走っているのでおもしろいですよ。
おすすめは、もちろん古い車両、揺れるとつり革が一定方向に揺れて、いつまで見ていても飽きないですね。
十字街から曲がって行きます。この十字街はその名の通り、まさに昔の繁華街、銀座4丁目のようなシンボリックなところ。
栄枯盛衰、今は、何もありません。
昔は、電車が行きかい、交差させるのが大変だったくらいです。
別に矢車草が咲き乱れてるわけではありませんが、この電停が風情があるのです。このアップダウンの道がなんともなく感じがいいのです。まさに、映画のセットのように洗練されているのです。
ここで、写真を撮って、SNS,インスタなどにアップしましょう。もちろん。矢車草の歌も添えて、短歌なんて知ってると、カッコいいしもてますよ。
わたくしは、ここが函館の原点だと思っています。
かつての栄光,栄華と郷愁。哀しさがあり、そこで生きてた人々の感傷が、優しく切なく、顔に吹き寄せてくるのです。
日本で初めての開港、西洋文化の到来、箱館戦争、五稜郭、土方、忠君の武士たち、非業の死、一親分の人情、漁業の中心地、造船業の隆盛、大火、北海道の中心地
あまたの人々の、夢と希望の残り火が感じられるんです。
感受性の強い人なら泣いちゃうかも。
この玄人案内ならではの場所設定だと、自画自賛しています。