静物画とは空間の問題です。
配置と色、リンゴで世界を驚かすといったのはセザンヌです。
セザンヌの絵を見てると風が吹き始めます。
トマトはおおむね丸いですが、まん丸に描くと動きがでません。
少しだけいびつに描きます。
そのわずかなずれを人間の理性は幾何学的に理解をしようとするために、
脳が動きます。
幾何学的なシェイプを求める人間の理性の本質を利用するのです。
キャンバスには、格子状の線を引きますが、一つ一つのマスは相似です。
ある探検家が、ジャングルで半年生活して戻ってきました。
自宅の階段を見て、つくづく「美しい」と見入ったそうです。
幾何学的な形はジャングルにはなく、混とんとしたカオスがあるのみ。
そこには野性だけで、美しさはありません。
人間が見るから美しさが発生するのです。
人類が生まれる前の地球には、野生はありましたが美しさはありませんでした。
人間が美しさを求めるのです。
美しさとは、人間の理性そのもの。
自分が見たい形をみたい
自分が感じたい色が見たいという欲求が美を発生させるのです。
ニュートンがリンゴが落ちるのを見て考えた。
アインシュタインが相対性理論を発表した。
そこから、空間認識が変わりました。
あらゆるものが、相互関係、相対関係を築くのです。
必ず引っ張り合います
質量のあるものは、空間をゆがめ、または引っ張り合い相互に作用知るのです。
空間は物の影響を受け、互いに引っ張り合い、響き合うのです。
この感覚を無視すると、空気空間は消滅し真空状態が発生します。
上手でない画は、真空状態です。
見ていると窒息しそうで苦しくなります。
互いに空間を響かせ合うことに人間は美を感じるのです。
色彩はよくグラデーションを作ったり、補色関係を好んだりします。
トマトはおおむね赤ですが
オレンジ、黄色、緑、ブライトレット、ウインザーオレンジ、ライトレッドなどを置いていくと
変化が出ます。
単調な赤玉は動きを止めてしまいます。
補色関係は強烈でぎらぎらするので、彩度を少し落としてあげなければいけません。
少し濁った色です。
よく影と称してグレー色を下に入れる人がいますが、それは古臭くなります。
現代絵画は
セザンヌが教えてくれたように、○△や円錐で
ゴッホがやったように、激しい感情を内に秘め
ムンクが表現したように、物事を真正面からとらえ
実直に真面目にこの道を進むべきでしょう。
おまけ、
ホワイトは必要です。
ホワイトは補色関係のような、強い対比があった場合、中和剤として画面の中に必要です。
乳色、肌色、コーラルレッド。ネイプルイエローライトなども便利です。