ベルゲンの美術館の話②

ベルゲンの観光スポットは、すごい人があふれていました。天気が良いことが少ないこの街では、日がてるとみんなが外に出てくるのです。短い夏を楽しむ気持ちは、北欧の人には本当に大切なことなのですね。

ノルウエーはお金持ちの国です。北海油田を持っているからです。市内のガソリンの値段は高いようですが、ベルゲンの港には、北海油田のプラットホームを引っ張る強力な船舶がたくさんありました。いかにも馬力がありそうな真っ赤な船です。

冬の北海はものすごく荒れまくり、ただ事ではないそうです。

この日は、穏やかで明るい夏の日でした。

コペンハーゲンのニューハウンに似てます。

よく、コペンハーゲンのニューハウンと間違える人はいますが、ここは北緯60度、北のはじっこです。ニューハウンが運河にあるのに対して、ここベルゲンは港の中にこの三角屋根の建物があるのです。ドイツのハンザ同盟が隆盛を極めたころの建物です。

ハンザ同盟は中世にバルト海沿岸の貿易経済を支配した都市同盟。ヨーロッパの北部の経済圏をしっかり握りました。さぞ、にぎわったでしょう。ノルウエーの首都はここでした。この、お金が美術品の収集に役だったことでしょう。

ここで、昼食にスーパーで買ってきた、海苔巻きを食べました。恐るべき、寿司の威力、世界中を席巻していますね。ストックフォルム、ヘルシンキ、コペンハーゲン、オスロ、そして、ベルゲンまですし屋あるのです。なんちゃって寿司も多いそうですが。

さて、きょうのムンクは、

水平と垂直が徹底して貫かれているのがムンク。「人間は生れて起立して、死んで横たわる。」という、単純な構造を絵の構図に必ず入れているのが凄いですね。また、壁の斑点のの模様もよくみると、つるっとした人体と対比させているとも考えられます。デッサンの確かさが伝わりますね。

この絵は、画集で見たことがあります。絵具を混ぜずに、ぺトロールのようなサラサラ油で溶いてスーッと描く。赤と緑の補色関係を上手に画面構成に使っているところがいいですね。テーブルの足が長すぎるような気がしますが、このテーブルは必須のアイテムですね。床の面を出すために必要です。

今日の最後は

メランコリー

この絵は、向こうの桟橋に、なにやら男女がいますね。この、憂鬱な表情はなにかよくないことが起きているのかもしれません。人間関係についての悩みを、絵を描くことで昇華したという人がいますが。ムンクの場合、北欧のクールさからか、どこかに冷めた視線を感じます。夏目漱石の小説のような、上からの視線、大観した視線です。

おまけは、港の落書きですが、見よ、このクオリティーの高さ

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