顔の立体感を出す。ジャコメッティの素画 駅員のいる群像20 

 

いったん筆を置いてから、また手を入れちゃうことがよくありますね。

結論から言うと、あまり変わらないし、かえってダメになる可能性が50%はありますね。

気になったのは、縦のタッチが多過ぎるように思えたこと。

縦と横、垂直と水平は基本中の基本です。いつも、大事にしていかないといけません。

 

上の空の空間が囲まれすぎて、息苦しいので、どっかを抜かないとだめかなと思ったこと。

囲まれすぎると、息苦しいのはどこの世界でも同じですね。どっちか一方はスカッと抜けなければ

なりません。

 

なるべく、絵具は薄めで、厚くならないように。そのままで、綺麗なところは、手をしばっててでも

手をいれないこと。と、心に決めてから始めました。

 

中心の「立つ男は」顔を、やや上向きにしました。上向きにすると耳の位置が下がり、また、鼻の穴が見え

また、唇と鼻の距離が近くなります。

左右の目の位置は、ずらして互い違いになるようにします。そうすることで、顔に立体感が生まれるのです。

 

ピカソは、思い切ってやっていますが、よく見ると表現主義の作家はいろいろな方法で、実践しています。

モジリアニもそうですね。

モジリアニのように彫刻家出身の人は、立体感というものに敏感ですね。

 

彫刻家といえばジャコメッテイ

 

ジャコメッティの素画、ヤナイハラの肖像も、こちらに飛び出てくるような迫力がありますね。

 

左右の目の位置をわずかにずらしているようです

 

左右対称の目では、動きが止まり、尚且つ、立体感も消失します。

よくリンゴを描くときに、立体感を出すために、タッチやグラデーションについての言及はよくありますげれど、

それは古いですね。丸くなるような、急になるようなタッチを組み合わせていくやり方です。

 

セザンヌのリンゴを見ると、それは古い解釈であることがわかります。

 

セザンヌが革新的だったのは、

形自体を、画面全体に響く「コンポジション」の一つとしてとらえ、僅かに変形されていたり、ゆがませているのです。

 

「リンゴでみんなを驚かせる」

言葉通りの美しさと、確固たる構築性がありますね。

ものを見て描くことを最後まで大事にした、まさに巨匠でした。

 

また、マチスの絵を見ると、単純さの中から、立体感を感じさせるやり方。「ずらす」ことが試されています。

マチスのかの有名な、「ダンス」の油絵の本体を見たことがありますが、実際の作品には木炭の跡も残っていて、

決して色も平板ではありませんでした。

マチスの冒険の跡がはっきり見られてうれしかった想い出があります。

見ることをしないと、足元から崩れていく危うさを感じますね。シュールの作家たちも、物を見て描く絵を非常に大事に

していました。

 

 

 

 

 

 

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